3/30登場分など(9報)
3/29分も一部含みます.
[2203.15087] The glass-forming ability of binary Lennard-Jones systems
LJ 同数2成分系におけるガラス形成能についてシステマティックに調べた論文.
同種粒子間に働くエネルギーの大きさの差(normalized cohesive energy difference)と異種粒子間に働くエネルギー(mixing energy),粒径比が大事なパラメータ.
Critical cooling rateという概念も初めて知った:結晶化が避けられる最低冷却速度のこと.これがガラス形成能の定量的な評価指標として使えますね,ということらしい.
結晶化の判定が式3で良いのは粒径比が比較的小さいから?
Depinning転移の模型として代表的なquenched Edwards-Wilkinson模型などに流体力学的相互作用を表すような項を導入してその相図を調べている.
"Elastic" Kernel項にnonlocal効果を導入していることがポイントのはず.
相図上で転移なし→一次転移→二次転移と転移ようすが変化するらしい.
[2203.14785] Defects and Frustration in the Packing of Soft Balls
Vertexモデル的なものを考えたときに大事になりそうな事が書いてそうなのでメモ.
[2203.13869] Vibrational entropy of crystalline solids from covariance of atomic displacements
タイトルだけ見ると「なにを今更?」て思ったけど第一原理計算の結果からエントロピーを求めるという話らしい.
#####以下は少し機械学習感のある論文たち
ここ2日ほどでアップロードされた論文を眺めていると,本ブログの対象カテゴリに生成モデル関連の論文が入ってきていたのが印象深かったので機械学習っぽい仕事もいくつか選定してみました.
[2203.14824] Numerical and geometrical aspects of flow-based variational quantum Monte Carlo
生成モデルの文脈でも最近注目度が高い(高かった?)normalizing flowを使った量子Monte Carloについての諸々が書いてあるのだと思う.
複雑な確率分布絶対求めるマンことflowなので波動関数の計算に使えるやんけ,ということかな?
内容は全然ついていけないけど物理と機械学習のいい感じの接点ができているのは傍から見ているだけでも面白い.
GNNを使って粒子系のtrajectoryから粒子に働く力を当てられるとのこと.
特に自走粒子系を対象にしていて,2体ポテンシャルのほかいわゆるActive forceも当てられるらしい(MIPS相でもOKぽい).
Janus粒子を使った実験でもうまくいっているとのこと.
実験ではelectrophoresisを利用して自走性を与えているらしいが,副産物的に電場の強さに依存して2体ポテンシャルも変化していることがわかったらしい.
GANに物理的な制約,特に対称性の制約を入れて,よりそれっぽいサンプルを生成させるということか?
Physics-guided系で対称性の制約入れる仕事が最近多い気がするけどそれだけ上手くいくということなのかそれ以外に気軽に入れられるものがないのかが気になる.
[2203.14720] Brownian reservoir computing realized using geometrically confined skyrmions
最近流行りのリザバーコンピューティング(RC)の話.
skyrmionを使ったRCというのはレビュー論文にも結構スペース割いて書かれている割にちゃんと実現した話がなかったらしい.
この論文では実験的にdemonstrateしたそう.
RCのことはあまり知らないけど,この3月の物理学会のニューラルネットワークセッションでも複数講演があったのが印象深かった.
日本のグループがポリマー特化のMaterial informatics的なオープンソースpythonライブラリを作ったという論文.
ポリマー物性データベースを全原子MDで完全自動生成可能らしい.