【A】4/10登場分(6報)

[2304.03306] Route to turbulence via oscillatory states in polar active fluid under confinement

ゴリゴリの数値計算で厄介な非線形方程式を任意のconfinementの中で計算できるようにしてBacterial turbulenceの発生の様子を調べた論文.

特に円形のconfinementの中でのactive乱流発生の様子はconventionalな粘性乱流発生過程とは異なっていたらしい.

 

バクテリア分散系が持つ非自明な境界条件は実験事実を援用して設定している.

速度に加えて渦度もゼロになるべきというStick boundaryになるらしい.

 

計算対象の方程式はpolar active tubulenceをうまく表現できることが知られているらしいToner-Tu-Swift-Hohenberg方程式というもの.その名の通りToner-TuモデルにSwift-Hohenberg的な項がくっついている.

この方程式はNavier-StokesよりもややこしいのでConfinement中で解くのは特に結構厄介だが,confinementの影響をうまくdamping termでモデル化して近似的に解いている.

擬スペクトル法+confinementということで何も処理しないとaliasingが出てしまったりするようだがlow-pass filter等で処理もしているらしい.

特別実験で「実験が嫌やから数値計算がんばります!」から一年とかでここまでいったという話なので驚き.

 

図1だけでも見てくださいの意味がよくわかる図1だった.

 

 

[2304.03662] Three-dimensional active turbulence in microswimmer suspensions: simulations and modelling

Squirmer modelの直接数値計算でもbacterial turbulenceっぽいエネルギースペクトル見えたでという論文.

格子ボルツマンで100000個オーダーのSquirmer系の計算を頑張ったということですごい.

積分率が10%程度ということなので,システムサイズは途方もなく大きい(512^3らしい).

流石にSwimming parameterまでは振っておらず\beta=-5という強pusher条件で計算しているらしい.

Raynolds数も0.01程度と結構小さいし,数値計算はかなり大変そう.

数日前のこの論文に引き続きこれが令和のMicroswimmer数値計算論文かぁという感じ.

 

[2304.03630] Noise-induced quenched disorder in dense active systems

タイトルを見て「え?」と思ったがスピングラスとかでいうところのquenched disorderとは違う意味で使っているっぽい?

 

[2304.03554] Microscopic singularity of an entropic force in stochastic order parameter dynamics

二次元以上の空間次元のモデルAではエントロピー力が紫外発散することが示されているらしい.

これはマクロな測定量である界面の伝播速度がミクロなカットオフに依存するということを意味するらしい.

 

[2304.03661] The boson peak in the vibrational spectra of glasses

ガラスの低周波モードの特異性について統一的な見解を得たという論文.

すでにそれなりの知見が得られていたのだと思っていたが,低周波物性職人のこの著者には物足りなかったらしい.

この著者はここ数年低周波モードの話を徹底的に追いかけ続けていて本当にすごい.

 

[2304.03469] Automated characterization of spatial and dynamical heterogeneity in supercooled liquids via implementation of Machine Learning