【A】3/17登場分(2報)
[2303.09161] Quasi-localized modes in crystalline high entropy alloys
高エントロピー合金というすごい色んな種類(だいたい5種類以上らしい)の金属をほぼ等量ずつ混ぜてつくる系がたびたび話題にあがる.
主には今までにない材料の候補として材料科学的観点で研究されているらしい.
この論文ではそうした高エントロピー合金を対象に振動状態密度の低周波極限のようすを調べている.
構造がガラス的なときはもちろん,構造が完全にFCC的な結晶のときもω4乗則が観察されたらしい.
「それっておかしくね?」と一瞬思ったが,構造はFCCだが各サイトに位置する粒子種はランダムに配置されているので,粒子種によるdisorderが存在するということらしい.
それによってもω4乗が出るのはめっちゃ面白いが,格子を考えてランダムにバネ定数を変えた理論模型でも(有効媒質近似の下で)non-Debye則が説明できるという話があった気がするので冷静に考えたらそこはそういうものなのかもしれない.
しかし図3がまた面白く,結晶に近づくとWeibull分布の振る舞いに異常性が出るということらしい.
そうなのか.
全体的に高エントロピー合金を使って材料設計をするときには大事な知見になりそう.
[2303.09493] Anomalous crystalline ordering of particles in a viscoelastic fluid under high shear
タイトルの通りのことが起こるということだった.
面白い.
なぜこういう測定をしようと思ったのだろうか.