【A】3/31登場分(5+1報)
なんと驚いたことに今日で2022年度が終わりですって.
粉体のsegregation(異なるサイズ混ぜて擾乱加えたらサイズごとに相分離したりする現象のことを指しているはず:ブラジルナッツ効果とかが有名か?)はよく知られているけど内部構造ちゃんと見た研究なかったし正直よくわからんくない?見るわ!という論文.
粒子を直方体型のcontainerの底(4cm×40cmの長方形)に敷き詰めた擬二次元系セットアップで水平方向に振動させてパターン形成過程をミクロにマクロにしっかり観察しているらしい.
時空間パターンをうまく可視化してあげると(ここの詳細はわからなかった:空間方向は底面の中央部だけを見てる?)シェルピンスキーガスケット的なパターンが形成されていることがわかったらしい!!
そのほかにも特徴的なパターンがいくつかあるらしく,相図は結構複雑.
目的であった詳細な解析で得られた知見から構築した現象論的な数理模型でいい感じにシェルピンスキー相も含む様々な相の再現もできている!!!
このグループは今回の学会で発表していた内容もめっちゃ面白かったし,ユニークな実験をうまく料理していてすごい.
[2303.17227] Microscopic derivation of nonlinear fluctuating hydrodynamics for crystalline solid
結晶では連続並進対称性が破れているので流体とは異なり大事なslow variablesがmass,momentum,energyだけじゃ足りず,変位場が重要なslow variableとして弾性を記述することになるという話がある(チェイキンルベンスキーにも書いてある).
この論文ではそうした関係式のミクロなHamiltonianからの導出を行ったというのが主結果らしい.
同様の試みを行った先行研究では結晶系を記述する上で大事な変位場の定義が線形化した方程式でしか正当化されないものになっていたため,非線形項の効果も正確に表現可能な(これまで知られている現象論的式に整合するということ?)異なる定義を与えたということらしい.
良い仕事だし,お師匠さんの流れを汲んでいるのも熱い.
ちなみに結晶のような対称性の破れがなさそうなアモルファス系の弾性はemergent gauge theoryで理解しようぜという話がある.
Elastically Collective Non-linear Langevin Equation理論(ECNLE理論)というものがあるらしい.
モード結合理論(MCT)の拡張のような理論なのか?
localな力に基づいて活性化ダイナミクスぽく系の記述を試みる理論という感じ?
知らない話ばかりや.
[2303.16910] Strain correlations in isotropic elastic bodies
二次元の等方弾性体のひずみの相関関数は方向依存性を持つことをしっかり示したという論文か?
以前学会でO信田さんに教えていただいて感動した話とかなり近いような気がする.
[2303.17016] Jarzynski equality for time-averaged work
昨日の論文と同じ人による少し見方を換えた等式の証明.
[2303.17022] Active Brownian Particles in Random and Porous Environments