【A】8/23登場分(7報)

[2208.09958] Disordered Hyperuniform Quasi-1D Materials

「Hyperuniformityって一次元でも出るんかな?」という誰もが抱えたことのある疑問の答えに迫る論文.

アモルファスカーボンナノチューブを使って擬一次元系を作って確かめてみたら出てるっぽいでという報告.

こういう実験を思いつくところといいやっちゃうところといい素晴らしいですね.

 

[2208.09664] Autonomous waves and global motion modes in elastic active solids

昨日に引き続きActive solidについての論文.

昨日のはセンチメートルサイズの小さいロボットを丸い壁に閉じ込めて,それをバネでつないでいるという人工系だったが,この論文ではバイオフィルムの中にバクテリアを入れて天然Active solid作って集団運動mode見てみたで,という報告.

一つ上の論文に引き続き素晴らしですね.

 

(追記)ちょうどいい粘弾性の細胞外基質高分子を出しているバクテリアを探して,プロテウスのearly stageが良いということで選んだと言う点がテクニカルに重要なようです.(K大M先生コメントありがとうございます!)

 

[2208.10200] Active Spherical Model

Spherical modelで今まで実に色々な問題が解析的に理解されてきたから,Active matterっぽくしちゃってMIPSのuniversality classについても考えてみるで!という論文.

ActivenessとしてはActive Ornstein-Uhlenbeck particle的なActive forceをu_iという自由度(おそらくnormal modeの変位?)に対して与えている.

このactive forceのpersistent time \tau_pが有限のときはMIPSはIsing universalityクラスに属すことが示せたらしい.

これはこれまでの数値計算による結果と同じstatement.

一方,persistent time が無限大の極限\tau_p\to \inftyではuniversality classがrandom field Ising modelのものに変わるらしい.

めっちゃおもろい結果だ.

 

この著者の最近のproductivityがえぐい.

学務が比較的落ち着いている大学の夏休み中に溜まっていた成果を論文化して吐き出し尽くしてやるという強い意志を感じる.

 

 

[2208.09859] Emergence of hierarchical modes from deep learning

なんかmode分解による新しい学習アルゴリズムの提案.

6月に出ていたこの論文この論文の内容を組み合わせて考えるとmode分解したら効率的学習ができそうな感じは確かにする.

 

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[2208.10485] From the vapor-liquid coexistence region to the supercritical fluid: the van der Waals fluid

van der Waals fluidについの論文.

can der Waals fluidについての論文やで!というタイトルがかっこいい.

density gradient theoryというのにmean-field模型の解みたいなものを入れてアレコレする話か?

 

[2208.09904] Temperatures in Grains and Plasma

粉体を考えると少なくとも2つの温度(分子などミクロな自由度が従ういわゆる温度と粉体の運動エネルギーで定義される粉体温度)が存在するが,そういうのがプラズマと似ているかもね,という話.

プラズマサイドで粉体との類似点を議論しているっぽい.

 

 

[2208.09856] How to include azeotropy in the design of self-assembling Patchy Particles systems

azeotropyというのがentropyの親戚的なものかと思って(negentropyとかそういうの)みたら共沸という意味だった.

エタノールと水を蒸留で分離しようとしても共沸点で一相として振る舞うようになるからむずいで,みたいな話ですね.

 

自己組織化が何かに使えそうというのはみんな思ってるけど究極的には目的の自己組織化構造を実現するbuilding blockが逆問題的にデザインできないとあかんやん,というmotivationでそういう逆問題へのアプローチの一つに共沸の考え方を使うらしい.