【A】5/25登場分(4報)
[2205.11675] Controlling rheology via boundary conditions in dense granular flows
粉体系のレオロジーに境界の壁が与える影響を実験的に調べた論文.
二重円筒内にphotoelastic disksを敷き詰めて内側の壁をくるくる回してせん断を印加するセットアップ.
外側の壁面のroughnessを6種類用意しその影響を調べている(基本的にrigidな壁で形状の効果を見ているが,一つだけdeformableなものも用意してそういう効果も検討).
粒子の再配置に起因したnonlocal effectを考慮した簡単なモデルで結果がよく記述できたらしいがroughness効果をまさに反映するwall slip velocityは観測結果をplug-inするらしい.
Roughnessが強いほど壁面でのすべりが減り,photoelastic discによって観測されるforce chainの fluctuationsは強くなるらしいが,この効果を壁面からのnonlocal効果の伝播にうまく結び付けられたらしい.
一方で,いわゆるミューアイレオロジーの測定結果は粉体温度の1/8乗でscaleしてあげると壁面形状に関係なくマスターカーブにcollapseされている(されている?).
この指数1/8というのは数値計算とは整合的な一方で理論的な説明はないそうです!!
[2205.11881] Odd Viscosity in Chiral Passive Suspensions
まさに昼間こういう話をしていたらアニキ達の論文が出ていた.
粒子の形がカイラルやったらActivenessや外場の効果などがなくてもodd viscosityが出ることを示したらしい.
Hydrodynamic interaction項はStokesian Dynamicsという感じではなくLubricationの効果を入れたものらしいが,この項はどのくらい大事なのだろう?
ちょこっと関連しそうなレビュー論文として以下のものが最近出版されましたが,この雑誌は読めない研究機関が多いみたいですね:
Topological active matter | Nature Reviews Physics
面白そうなレビューが多い雑誌だけにどうにかしてほしいところですね.
色んなタイプのGaussian-familyの確率過程(Brownian,Ornstein-Uhlenbeck,Brownian gyrator model,fractional Brownian)を考えて,それらの周波数-周波数相関をいうものを測定すると各過程異なる結果になったらしい.
つまりこの性質を利用すればランダムな時系列からそのdynamicsが持つ性質を特定できるので,実験データ解析などに有用としている.
ちなみにこの論文と次の論文は同じ著者達の論文やけど,Semantic Scholar的には著者に名を連ねているPelitiさんはDoi-PelitiのPelitiさんぽい?
Doi先生といい,バチバチに現役ですごい.
任意のGauss過程に対してsingle-trajectoryでのpower-spectral densityを考えるとゆらぎの方が平均値の信号強度よりも大きくなってしまうので平均で議論することはできませんね,というちょっとドキッとする主張か.
これらの2報は早とちりしてGauss過程回帰の話かと思ってしまったがGauss過程の話だった.
とはいえもしかしたら無関係ではないのかもしれない?