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[2203.13638] Geometric percolation of colloids in shear flow
タイトルの通りせん断下でのハードスフィア系のパーコレーションについて考えた論文(流体力学的相互作用は無視).
ヒューリスティックモデルとSmoluchowski式的アプローチでせん断のパーコレーション転移点についての理論予測を与えている.
せん断の効果の評価にはinfinite dilutionみたいな仮定を置いているけど,平衡状態のreference configurationとしてOZ式にPY closureを使って求めたg(r)を用いたらWCA potential系でのLangevin simulation結果といい感じの一致っぷりだったとのこと(図1:定性的な非一様傾向とか非自明な性質が表現できている).
出発点としてこの論文から引っ張ってきていたSmoluchowski式が面白い形をしていて,任意のvelocity gradientテンソルとg(r)と球対称型のpotentialを結びつけていた.
80年代のJFMっぽい仕事.
こちらに関しては恥ずかしながら「え?そんな問題意識あったん?」という話だった.
なにせ結構長いのでほとんで目を通せていないが,問題意識とstatementは以下のようなものらしい:
・Memory kernelを付けたからって粘弾性体中のコロイドの運動を線形Langevinで書けると思ったら大間違い説が最近実験・数値計算で報告された
・具体的にはmemory kernelの形が”confinement(光ピンセットの出力とか?)”のセットアップに依存することがわかった:bath-particle相互作用がwell-definedでない?→マイクロレオロジーのピンチか?
・この厄介な外場依存性は非線形な支配法則を考えたら説明がつくことを示したらしいし,新しい形の揺動散逸関係も導けたらしい
・model B的に時間発展するGaussian fieldなるものとコロイドの相互作用を考える(なんでだ?):ハミルトニアンにtrapping potentialも入れておく
面白そうなので時間を取ってしっかり読んでみたい.