【A】5/17登場分(5報)

Fragility in Glassy Liquids: A Structural Approach Based on Machine Learning
https://arxiv.org/abs/2205.07187

機械学習を用いてガラス形成液体のフラジリティと構造の関係を調べた論文

著者らのグループが提唱したsoftnessパラメータを使用してフラジリティの特徴づけを行っている。
softnessの分布関数が交差する点で定義されるオンセット温度の正負で、動的不均一性を引き起こす要因が変わるらしい。
その結果、動的不均一性はフラジリティが高い物質ではsoftnessのエネルギー障壁依存性で決まり、

フラジリティが低い物質ではsoftnessのエントロピー障壁依存性で決まるとのこと。
いつもながらにこの著者らの一連の研究からはSoftnessの地位向上に向けての強い意志を感じる。

 

[2205.07408] Training neural networks using Metropolis Monte Carlo and an adaptive variant

ありそうでなかった(?ほんまか?)Monte Carloでニューラルネットのトレーニングしてまえ論文.

どの程度generalな話かはわからんけど少なくとも論文中のdemoの結果的にはAdamより良さそう.

Swapのようなmetadynamics的な手法の導入もできるともっと高速化できるか?

これは興味深い方向性の研究ブランチが産まれたと思う.

 

[2205.07032] Five-fold Symmetry in Au-Si Metallic Glass

初めて実現された金属ガラスはAu-Si系らしくそれは半世紀以上前のことらしいが,その原子構造は謎のままだったらしい.

この論文では5回対称性を持つ12面体がbuilding blockであることを示したと主張している.

20面体じゃないのか.

 

[2205.07622] Photoelastic Stress Response of Complex 3D-Printed Particle Shapes

3Dプリンタでphotoelasticityを持った複雑な形状の粒子が作れますよという話.

便利そう.

 

[2205.07658] Distance-as-time in physical aging

ガラスのagingについては半世紀ほど前からmaterial timeというもののthermal history の線形な畳み込み?で記述できることが知られていたらしい.

が,そのミクロな起源は不明だったらしい.

この論文ではmaterial timeの,あるtime intervalの下での増大は構成粒子の移動距離を反映しているという説を提案するらしい.

Material timeという概念を知らなかったので踏み込んだ内容のことはちょっとわからないがagingをミクロに説明しようとする試みは興味深かった.

 

内容は関係ないが, Introの一文目がかっこいい:What is the time?

1つ目の引用括弧が[1-23]で,やりすぎやろ〜と思ったけど1931から2022まで徹底的にAgingの歴史に沿って引用してて痺れた.