【A】5/9登場分(5報)
[2205.02853] Universal Kardar-Parisi-Zhang dynamics in integrable quantum systems
Quantum spin chain 系のtransport dynamicsが,non-Abelian symmetryがある可積分系であればunivesalにKPZクラスになるんじゃね?というconjectureがあったらしいけどそれを数値的にしっかり調べてみたら実際そうかも,という論文.
正直全然よくわからないけど話としてはとても面白い.
しかも調べてみると思ってたよりも対象範囲が広くて,超対称性がある系とか周期駆動系とかでもKPZぽい,ということらしい.
超対称性まで出てくると,ほんまにKPZて一体なんなんだという気分になる.
実験的に測定するための方法にも踏み込んで議論しているぽい一方で,逆に流し読みレベルでは有効記述レベルでもKPZ方程式が出てきたみたいな話は見当たらなかったのが気がかりだった.
分かる人がみたら「ここまできたらもうこれ実質KPZやん!」,みたいなのがimplicitに書いてあるのかもしれない.
[2205.03070] Computing chemical potentials of solutions from structure factors
化学ポテンシャルは色んな性質を知るのに大事やけど,粒子ベースのsimulation結果から求めるのは大変じゃろ?ということでNPTアンサンブルの平衡状態における静的構造因子から求める方法を開発してくれたらしい.
4種類の大きく異る系の数値計算を実際に行って,先行研究(実験,数値計算両方複数)の結果と比較も行っている(2成分LJ系,Urea in waterという系(有名なんか?),NaCl水溶液,高圧炭素水素混合系).
計算結果はなんだか良さそう(正解のreferenceがないのでなんとも言えないけど先行研究とは整合している).
結局式19みたいに色んな濃度の値で数値計算が必要ということになるとどのくらい嬉しいのかがわからんなという印象だったが,
OZ formでk→0極限の"物理的に自然な"外挿値を得るから有限サイズ効果を自然な形で取り除けるのだ,という主張なんかな?
計算がどのくらい楽になるのかはよくわからなかった.
タイトルの通りランダムグラフ上のランダムウォークにおけるfirst passage timeの確率分布の解析解を求めたんだと思う.
ベルヌーイ過程のよくある話とは違って,必ずしも原点に戻らなくてもよくて,
任意のすでに訪れたことのある点に戻ってくるまでの時間という謎のセットアップ(しっかり読んだら納得なのかも:なんかshortest path云々と関係してそう).
この結果があると『平均場近似の名のもとに何でもかんでも均質視したらベルヌーイ過程のfirst passage problemにmapできたで!』みたいな話を少し複雑な状況に拡張できるのかもしれないので,ここで言うランダムグラフとは何のことで,どういう条件のもとで何が言えるのかくらいを把握しておくとあとあと役立ちそう.
[2205.02869] Thermal and dissipative effects on the heating transition in a driven critical system
「the dissipative dynamics of a periodically driven inhomogeneous critical lattice model in one dimension」を調べた論文.
初期条件をpure stateにしたり色々適切に扱ったらdriven 共形場理論でdynamicsがよく記述できるらしいがheating相とnon-heating相の両方が観察されるらしい(散逸による温度上昇のこと?).
Heatingは不均一になるし,ブラックホール的な境界線の発言で特徴づけられるらしい.
[2205.03127] Delayed elastic contributions to the viscoelastic response of foams
完全にJCPのpublished versionの原稿やったんやけど大丈夫なんでしょうか?
泡のレオロジー実験の論文.