【A】5/19登場分(2報)

[2205.08678] Structuro-elasto-plasticity (StEP) model for plasticity in disordered solids

アブストやイントロで「Elastoplastic model(EPM)ではspatial structureの効果がちゃんと考慮に入れられていなかったからavalancheが無視されていた」,というようなことが書いてあるけどそれは流石にないのでは?と思う.

むしろEPMでavalancheの研究している論文は枚挙に暇がないのでは?

Depinningとyieldingの違いの文脈でkernelのnonmonotonicityを考慮するためにspatial structureも入れた研究もあるはず.

 

まぁでもそれは置いておいて,この論文でやろうとしていることはそういうsite間のinteractionの効果を,softness(著者らが提案している構造指標:機械学習を用いて計算する.この用語の導入はこの論文が最初?概念自体はこっちが最初?)を用いてEPMにplug-inしてやろうということらしい.

softnessはいつものように粒子計算と機械学習を用いて求めているはずで,求めたsoftnessはなんやかんやあって格子模型のEPMのlocal propertyに入れ込まれるということなのだろう.

上記の通りEPMで色々やられているとはいえ,従来の細かいところのモデリングはad-hocというかheuristicというか「えいや!」という感じがあったように思うのでこういう方向性で粒子計算から取り出せる情報を盛り込んでいくのはすごく意義深そうに思う.

とはいえ結果については,図3のEPMと粒子simulation結果の比較がgood agreementに見えるかどうかという点は意見が割れそう.

 

 

[2205.09047] Critical behavior of quorum-sensing active particles

5/4の記事でのワイの疑問(MIPSはIsing普遍性クラスだみたいな話は云々いうやつ)に答えてくれるようなIntroductionになっていた.

MIPSやったらなんでもかんでも良いわけではないという理解になっているらしい.ややこしい.

 

この論文自体はActive Ornstein-Uhlenbeck Particles(AOUP)にQuorum-sensing(QS)を模した周囲濃度依存のActivity変化効果をexplicitに導入したモデルでのしっかりとした数値計算を行い,MIPS相の臨界点付近の挙動を調べると,Ising普遍性クラスっぽい臨界指数が得られた,という内容.

粒子数にして一桁未満のシステムサイズ差なのが若干気になるけどScaling collapseはきれい

AOUPの場合はQSがあってもなくてもIsing普遍性クラスなのは変わらないということか.