【A】2/17登場分(2報)

 

[2302.08459] Overlap renormalization group transformations for disordered systems

三次元Edwards-Anderson模型を対象にした新しい繰り込み群解析の提案?

最近接相互作用するIsing spinを考えて,相互作用定数が乱数に従うのがEA模型ですね.

 

この論文の提案手法ではthe degrees of freedom defined by the overlap of two repliscasに対する繰り込み群アプローチを提案している.

通常2つのreplicas \sigma\tau(それぞれs_i, t_iというスピンを持つとする)の間のoverlap order parameterはq_{\sigma\tau}=\frac{1}{V}\sum_is_it_iと各サイトのスピンの積のグローバル平均として定義されるが,この論文の提案手法では平均を取る前の\rho_i=s_it_iというoverlap場的なものを対象にしていて,これに対して繰り込み群を考えている.

これによって臨界固定点と臨界指数4つがバシッと求まるということらしい.

あまり詳しくないが,三次元のEA模型ではスピングラス相転移がありそうという結果がsimulationで出ていたが理論的に明確な後ろ盾がないよという状況だったところに一石を投じることができたということかもしれない??

(最近いろんな石が投じられていてそのうちの一つなのかもしれない??)

 

[2302.07253] Energy Transformer

最近世間を騒がせているChatGPTの中の人であるtransformerのnetwork architectureの設計はKKD(経験!勘!!度胸!!!)によるところが大きいのでちょっと理論的な理解を伴わせたいなという論文.

具体的には理論的な土台がしっかりしているけどこれまであまり実用化されていなかったDense Associative Memoryを使ったarchitectureであるEnergy Transformer(ET)というものを提案している.

ETCの設計指針はちゃんと理論的考察に基づいているらしい.

良い研究だ.

 

ChatGPTにに関連して本当にどうでもいい話だが,最近友人がデータプランに困っていた折,「箕面で1日ドライブデートするならどこがいい」とChatGPTに尋ねてみたところ複数候補を簡単な解説付きで紹介してくれていた.

良いデートになることを祈りたい.

 

その他ChatGPTといえば英文校正能力の高さも話題になっている.

実際試しに色々英文校正をお願いしてみるとめちゃくちゃハイクオリティになる.

(「英文校正屋さんになりきってね.文意は変えずにかっこいい英語にしてね.」的なおまじないが必要.)

 

ChatGPTは研究関連のことを尋ねても積極的に参考文献を挙げながら教えてくれたりはしないが,類似サービスのPerplexity AIというものは積極的に文献を挙げながら色々教えてくれるらしい.

すごい時代になってきたもんやでほんま.