【A】10/10登場分(2報)

[2210.03196] Glassy Dynamics in Chiral Fluids

Chiral active matterが最近よく話題にあがる.

Chriral 系ではactive結晶というものが知られていたらしいが,chiral active glassはあるのか?という問には興味が持たれてこなかったらしい.

おそらくみんなミクロなactivenessの起源はそんな関係ないと思ってたんちゃうか?と筆者らは睨んでいるらしい.

が,実際に測定してみたらchiral系特有の面白さが観察されたよ,という報告.

 

具体的にはchiralityの性質(回転拡散の強さとself-generated rotationの周波数の積で定まる無次元数で決まる:とはいえこの無次元数だけでは決まらない)を変えていくと3つの異なるregimeが現れると報告している.

まず,回転拡散が強い領域では回転拡散の強さの変化に対してnonmonotonicにlong-timeで観察される並進拡散係数が変化する.

特にこのregimeでは各粒子が周りの粒子が作るcage(harmonic trapと近似)の間をjumpするという簡単な描像の理論でよく記述できるらしい.

回転拡散が弱い極限ではactiveなspinnning motionの周波数の大きさに依存して振る舞いが変わるらしい.

これらの中間領域では一度ガラス化したものが再度流動化するようなある種のreentrantが観察されるらしい(回転周波数が高くなるほど顕著).

この辺りの説明のためにHammering効果という言葉を提案している.

ずーっとほぼ一定のcage内の閉軌道を回っているが,一周するうちにいくつか決まった粒子と衝突は繰り返しており,最終的にcageを壊すことができるというmechanismらしい.

 

 

[2210.03653] Yielding and Strain Stiffening in Entangled Assemblies of Frictional Granular Chains

昔の財布にくっついていたようなボールチェーンのようなものを充填したときの振る舞いを数値実験した論文.

この系はポリマーの観察しやすいモデルという気持ちで,ミクロな物理を理解するためのモデル系的に扱われることが多かったらしい.

それは...良いのか?

と思ったら,やっぱり駄目だよということをこの論文では言いたいらしい.

ミクロな対応物のない粒子間摩擦の影響がめっちゃ効くよという報告