【A】6/28登場分(4+3報)
[2206.12932] A classification of nonequilibrium steady states based on temperature correlations
斜め読みで雰囲気を味わった程度だが,パワーワードが大量に出てきて非常に興味深い.
The inverse temperature covariance という量が導入されている.
この符号が正か負かによって非平衡定常状態がsupercanonicalかsubcanonicalかに分類できるらしい.
このは定常状態になったら系内どこでも均一になるという意味で温度と似た振る舞いをするらしい.
有効温度の場合はprobeの仕方に依存して値が変わるという話が多いが(これの図20とかこれの図16とか)はそんなことないのかが気になりどころ.
このブログではあまり取り上げはしないが最近Tsallis関連の話が多い.
[2206.12574] Activity suppressed phase separation
Marchettiさんらの最新作はMIPS(Motility-induced phase separation)へのアンサーソング的な論文.
Passiveな流体とActive nematic流体がLandau-Ginzburg的なdouble-well potentialに従い相分離しようとする性質を持つ際,Activityの影響でマクロではなくミクロ相分離てきになったり,完全混合相になったりするという話.
特にpusher的なextensile flow型のactivityのときに相分離が強くsuppressされるらしい(これとかこれと整合している?).
MIPSよりはかなり限定的な状況を想定しているように思うが,同じくらいの流行を生み出すことになるのかというメタ視点でも楽しみな論文.
半分抒情詩みたいになってる.
怒りの矛先は「GNNで組合せ最適化問題を解くと良いよ」という報告をした最近の論文に向けられている.
このarXiv論文の作者の計算ではGNNを用いたalgorithmはgreedy algorithmにorder差で負けていたらしい.
バカのひとつ覚えみたいにGNNを使うな!!という意味でcracking nuts with a sledgehammerと言っているようだ.
ちなみにsledgehammerで画像検索をすると反町GTOの序盤で鬼塚が壁を破壊するときに使ったようなハンマーが出てきた.
もっとマイティ・ソーのムジョルニアみたいなのを想像していただけに少しがっかりした.
これについては諸事情でノーコメントとさせていただきますが,非常に興味深い論文です.
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以下3報も興味深いが暑すぎるので断念(冷房がなくて辛い)
[2206.12687] How large should be the redundant numbers of copy to make a rare event probable
[2206.12582] Origin of two distinct stress relaxation regimes in shear jammed dense suspensions
[2206.12577] Inter-particle adhesion induced strong mechanical memory in a dense granular suspension