【A】6/29登場分(4報)

[2206.14024] Unraveling intricate processes of glassy dynamics from static structure by machine learning relative motion

2020年にNature Physicsに現れてかなり話題になったこの先行研究の手法にさらに改良を加えた論文.

先行研究では短時間で一回予測精度が悪くなるという問題が存在したが,ただの粒子運動ではなくて周囲粒子との相対位置変化の情報も入れるとその問題がなくなったというのが一番のポイント?

3次元でも短時間ダイナミクスにはglobalなゆらぎの影響が大きく乗っかっているということか.

著者ら自身が述べている通りせん断を印加した際のダイナミクスを対象に提案手法BOTANを使ってみるのは面白そう.

 

[2206.13783] Empirical rule of fruit rind fragmentation in muskmelon netting

メロンの皮の皺は内部の果肉の成長と皮が固くなることの競合で発生するらしい.

この皺のようすはマスクメロンの品質を見極める上で大事な要因らしいが,イマイチ皺の幾何的構造についての知見は得られていなかったそう.

この論文では画像解析によって皺で囲まれた部分の面積の統計解析を行ったらしい.

得られた確率分布はuniversalにmodifiedベッセル関数で記述できて,このことは脆性材料で観察されるfractureについての理論的考察と整合的らしい(Weibull分布かGamma分布?).

アブストラクトがめっちゃ上手に書かれている.

皺が形成される過程についての数理模型とかは存在しないのだろうか?

腸壁の組織形成についてはこの論文があったなと思い出した.

 

[2206.13789] Roadmap for Optical Tweezers

いわゆる光ピンセットに関連する話題をとことん集めた論文(本?).

様々な分野の専門家たちが4~5ページずつ寄稿する形で合計181ページにのぼる.

自分の好きなマイクロレオロジー論文が引用されていなくて少し傷ついた.

 

[2206.14111] Magnetic Resonance Imaging study of sheared granular matter

「どうしても粉体実験ようすを三次元撮像したいなぁ...せや!MRI撮ったろ!!」という論文.