【A】9/5登場分(5報)

[2209.00703] Topological packing statistics distinguish living and non-living matter

問題設定がめちゃめちゃおもろい.

"How much structural information is needed to distinguish living from non-living systems?"

という論文.

何を言うてるんや?という感じやけど,実際構造に違いが出るらしい.

 

上記問に答えるために色んな系で測定しまくって構造の"地図"を作ってみたで,という話.

地図には生物さんサイドから『bacterial biofilms』『zebrafish brain matter』『embryonic tissues』たちが,物理サイドから『colloidal packings』『glassy materials(このカテゴリ幅広ないか?)』『stellar configurations』が参戦している.

一部はsimulation dataらしいが,基本的に実験データを使っているらしい.

これもうほぼスマブラやろというくらい色々考えている.

 

この地図上で生物系は独立した島状の部分を構成するので物理系とは明らかに異なる構造上の特徴を持つことがわかると結論づけている.

細胞分裂とか成長とかそういう過程での接着の効果などが大事なんだろうなぁと結論付けられている.

難点を挙げるとpassiveサイドで細胞みたいに柔らかいものを使った検証がされていないようなので柔らかさや変形能の効果という線が完全には排除できていないかなぁという感じがした.

結論がめっちゃ面白いだけにそこは気になる.

 

こういう難しい問題に取り組むために三次元点群のトポロジーを区別するための方法を考案したというのが最大のポイントか?詳細は追えていないがドロネー分割に基づいてなにかをしているらしい(びびるくらいわからんかった).

 

 

 

 

[2209.00794] Real-space model for activated processes in rejuvenation and memory behavior of glassy systems

このScalliet論文で扱われたようなMarginaly stable相的な温度サイクル下でのrejuvenationとかmemory効果を生み出すことのできる格子模型を提案するという論文.

real-space pictureであるというのとactivation processのみによるというのが特徴.

ベースになっているのはcluster modelという粗視化格子模型らしい.

知らない...

 

ちょっと面白いのは,最後のpartで上記Scalliet論文の解釈に疑義を投げかけている点.

ScallietらはAgign過程の変位の確率分布の結果を『Agingには全粒子が寄与している』と解釈しているが,今回のarxiv論文の著者はagingはlocalな配置換えで進行するはずでScallietらはin-cageの振動を見とるんやろうと主張している.

Agingみたいな不可逆な配置換えはlocalizeしたeventの蓄積に決まってるやろという主張.

確かにそんな気もするけどもしGardner相的な性質もあるならそこが変なことになっていても良い気もしてなんとも言えない.

 

粒子シミュレーションで実際に変位の様子を観察したらどちらが正しいかははっきりしそうなので是非検証してみてほしい.

もしかしたらどっちも正しくて,いたるところでlocalizeしたイベントが次々発生するからtotalでは全粒子が等しく寄与しているというpictureかもしれない?

 

 

[2209.01134] Metastability of Constant-Density Flocks

Toner-Tu模型で均一一定密度場(?)を考えた場合について解析的に知られていた(?)scaling則を数値的に確認したという話らしい(?).

それと同時にconstant-density flocksというのはmetastable stateに過ぎなくてglobally disordered phase consisting of asters surrounded by shock linesになりがちらしい.

色々あるんだなぁ.

 

[2209.00924] Giorgio Parisi's scientific portray: Complex Systems and much more

Parisi氏のノーベル物理学賞受賞を記念した記事をCugliandoloさんが書いている.

ParisでのParisi氏の話もあったりして個人的な側面にフォーカスした記事なのかなと思いきや急にスピングラスの話が始まる.

引用を除くと15ページ.

トピックとしては

 4章:スピングラス

 5章:確率過程

 6章:Computer design & observational methods

となっている.

6章は特殊用途計算機の設計についての話だった.

そういうのにも貢献されていたとは知らなかった.

 

[2209.01138] Time Evolution of a Supply Chain Network: Kinetic Modeling

サプライチェーンネットワークをごりごりモデル化して,色々あってオイラーラグランジュ方程式を導いたりする話らしい.