【A】7/13登場分(2報)
[2207.05720] The relation between Parisi scheme and multi-thermalized dynamics in finite dimensions
お恥ずかしながらMultithermalizationという概念があるのを知らなかった.
2019年のこの論文が初出なのか?
非平衡系ですべての観測量に対して等しくなる有効温度が定義できたとしても,それがタイムスケール依存性を持つよ,という性質をMultithermalizationと呼ぶ?ぽい?
上記2019年の論文ではたぶん平均場模型であるSherrington-Kirkpatrick模型を対象にこういう性質を調べているのだと思うが,有限次元ではどうなるかわからないね,という話がこの論文の論点だと思う.
同じくレプリカ対称性の破れ(RSB:論文タイトルのParisi schemeとはRSBのことらしい)も有限次元ではどうなるかわからないけど,両者の関係はどうなっているんだろうね?という論文なのだろう.
(上記2019年論文ではRSBとMultithermalizationの関係を平均場のレベルで議論しているのだと思う.多分.)
勉強したみがある.
すべての観測量に対して等しくなる有効温度が定義できる条件みたいなのも整理されているのだろうか?
Discontinuous Shear Thickening(DST)については色々なメカニズムが提唱されてきたらしいが,このレターではさらに新たなメカニズムを提案している.
論文中でまとめられているものを列挙してみると:
・粒子間摩擦が大事(これの印象が強かった)
・秩序無秩序転移
・ignited-quenched transition(?DSTではない似たなにかについての話?:粒子間の衝突が大事らしい)
→摩擦なしのhard-core系では体積分率が数%を超えるとcontinuous shear thickeningになるという理論があるらしい
といろいろある.
この論文では
・流体力学的相互作用があって
・粒子はソフトで摩擦がなくて
・中程度の濃度
という新しい領域のDSTを見つけたらしい.
よく見つかったなと感じるし,今までのメカニズムとは違いそうな点が興味深い.
これらのいろんなメカニズムを統一的に理解する横串のような理論が現れたらかっこいいなぁとも思うが,全然違うということならそれはそれで面白い.
ちなみにsection titleはLangevin modelのtypoか...?