【A】6/3登場分(3報)

Multilevel simulation of hard-sphere mixtures
https://arxiv.org/abs/2206.00974

二成分剛体球の数値計算手法の提案

階層性のある系の逐次モンテカルロ法を提案している。
大粒子間の枯渇相互作用について粗視化ポテンシャルを用いた計算と大粒子を止めて小粒子の計算を別々に行うtwo level methodという手法を著者らが最近開発しており、
この論文ではその発展であるthree level methodというものを構築している。
全小粒子を一度に考慮せずに、一部を考慮した中間状態を経由するというのが肝になっているよう

 

 

[2206.01013] Computer simulations of the glass transition and glassy materials

フランスのガラス分野の2大巨頭Barrat氏とBerthier氏による一風変わったreview記事.

これも例の本"Spin Glass Theory and Far Beyond "のチャプターになるのかな?と思ったけど違うみたい.

2022年が国際ガラス年ということでフランス科学アカデミーてきなところに寄稿されたらしい.

 

この記事ではタイトルの通りガラス物理周りの研究をするための数値計算的アプローチ法の観点で最近の進展がまとめられている.

その結果わかってきたことにはあまりフォーカスされていないのでグラフとかは基本的にない.

ガラス分野の最近の進展がまとまってるのか?と思って読むと少しなんか違う感があるかもしれないけど,どういうことに興味が向いてみんなが何をしたがっているかはむしろわかりやすいかもしれない(何より16ページとコンパクトなのが良い)?

最後の方には数値計算的観点で今後取り組まれるべきかなり大きな未解明問題が2つ一応提示はされている(それは確かにそうなのですが,,,というものになっている).

 

似たような未解明問題集のようなごく最近のreview論文としてこの論文が引用されていた.

こちらは44ページと少し長めの論文だが,なにかヒントが得られるかもしれないのでこちらも興味あるところだけでも拾い読みしてみると良さそうだなと気になった.

 

 

[2206.01019] Nonequilibrium Transport Induced by Biological Nanomachines

酵素やタンパク質にといった生物学的ナノマシンによって引き起こされる非平衡輸送現象についてのshort review.

14ページの短さで99報の文献を紹介しているので雰囲気を知るにはすごく良さそう.