【A】4/12登場分(5報)

[2204.04314] Aging or DEAD: origin of the non-monotonic response to weak self-propulsion in active glasses

ここまで詳細にActive Glass系の性質を調べた論文は2019年のこの論文以来ではないのかという気がする.

nonmonotonicなActivityの影響を見ているという意味では内容も少し似ている?

面白い内容やなと思って著者見たら共同研究者がいて驚いた.

 

[2204.05130] Collective dynamics in a glass-former with Mari-Kurchan interactions

タイトルを見て「まさか?」と思って著者見たら共同研究者がいて驚いた.

この話は前回の物理学会の発表でお聞きしたものだと思うが,問題と論点の設定が素晴らしくて感嘆した.

Conclusionで慎重にいろんな可能性も議論しているのが良かった.

Dynamic facilitationについて知識がなさすぎて他の系でもこいつで統一的に説明しようとすると何をすればよいのかとかどういう障害があるかがパッとわからなかった.

 

[2204.04411] Crossover in dynamics in the Kob-Andersen binary mixture glass-forming liquid

Kob-AndersenでMCT転移点以下まで冷やしたらFragile-likeからStrong-likeになったでという話?

高温側だけ見たらStrong-likeになると思っていたけど,低温側でもなっているのか.

MCT転移点以下ではバリア越えが支配的になるからアレニウス的になるような気もするけど,障壁の高さが一定というのも少し奇妙な感じがする.

1-RSB的なmetabasinのバリアで決まるようになっていて,それは一定の高さということか?

T_onsetからT_MCTの間は...?

 

[2204.04552] Magnetized granular particles running and tumbling on $S^{1}$

人工物でRun-and-tumble模型の対応物があったのは知らなかった.

 

[2204.04352] Is thermodynamics fundamental?

「熱力学は統計力学で説明できるから還元主義的にはfundamentalではないのだ」というような論が存在したらしい??

個人的にはそんな見方をしている人はごく少数ではないのかと思ってしまうけど,common viewだとまで書かれている.

日本語の有名な熱力学の教科書がそういう書き方をしていないことの影響も大きいのかもしれない?

もしかしたら自分が認識できていなかっただけで,ちゃんと読んだらどこかに書いているのかもしれないが,むしろ黄色い有名な本のあとがきで逆に「統計力学が熱力学を基礎づけるのではない.熱力学との整合性こそが,統計力学を基礎づけるのである」という言葉の引用はすぐに見つかった.

統計力学についてはこういうイメージが強かったので冒頭の主張は違和感があった.

とはいえこの論文の著者ら自身は4つのケーススタディを根拠に熱力学はfundamentalだと主張しているようなので立場は一緒なのかもしれない.